アメリカ

1日遅れですが、黙祷。

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アメリカといって真っ先に頭に浮かぶのはアメリカンドックというくらい、僕はアメリカに行ったことがありません。

一般人が海外へ気軽に行けるようになったのは、つい15~20年前からのことじゃないでしょうか。

当然我が家は中下層ヒエラルキーに属していたわけで、僕が幼少の頃は海外なんて夢のまた夢。

それでも、テレビなどで海外の映像が映し出されると、「海外に行ってみてーなあ」とボヤイてたわけで、見るに見かねたうちのバカオヤジは、平塚の海に連れてってくれました。

そして、数十メートル先に見える岩山を指差し、「あそこが海外だ。海を渡るんだから海外だ。」と、見事にのたまってくれたおかげで、そこが血の海になったのは言うまでもありません。

子供だましという言葉がありますが、アレは教育上どうなんでしょうか?

我が家のカルピスを例にあげてみましょう。

子供はカルピスが大好きです。

当時は1リットルくらいのビンに原液が入っており、それを少し水で薄めて飲むおいしい飲み物でした。

ですが、幼少期の僕は、カルピスというものは、カルピスの香りが微かにする水だと教えられました。毎日毎日作っても、1リットルの原液を飲み干すには半年
くらいかかります。あくまでも香りを楽しむのがカルピスなのだと頭に植え付けられ、僕は疑いもしませんでした。

ところが、なんなんですか、平田君の家のカルピスは。すごく甘くておいしいんですよ。

初めて飲んだときは泣いてしまいましたが、それが普通のカルピスだと教わり、少年期の僕は親を信じなくなりました。

ところが、月日が経って僕も30歳。

当時の親の気持ちがわかるようになりました。

お金がないので、焼酎はめちゃくちゃ薄くしてます。