家探し

「由美子、僕たち別れよう。僕たちは一緒になったらいけないんだ。」

「そうね。別れましょ。」

「ゴメン。身勝手な僕を許してくれ。」

「ううん。いいの。私たちはこうなる運命なのよ。でも、わたしはこれからもアンジェリスさんのことを愛し続けるわ。だから約束して。生まれ変わったら、今度こそ結婚しましょ。」

「バーカ。俺は、サッカーボールに生まれ変わるんだい。

こんにちわ、アンジェリスです。胸でキャッチされたいです。蹴られても大喜びします。

そんなわけで、久々の日本だったわけなんですが、水曜の夜に東京に到着してホテル直行。

木曜は1日、会社という悪の組織に拉致されて、金曜の朝一番の飛行機に乗って帰ってくるという、罰ゲームのような出張でありました。吉野家に行く暇すらありませんでした。

しかし、東京は暑かったです。香港は避暑地のようかと。

それはさておき、香港に戻ってきたわけでありますが、僕の後任者も一緒に連れて帰ってきたわけでして、ついに引き継ぎとなるわけなんですよ。

で、住むところが決まるまでのしばらくの間、ひと回り以上離れた40半ばのオッサンと同居生活を強いられてるわけでして、もう死にそうです。勘弁してください。ホテル代くらい出してくれよ、貧乏会社め。

僕は話し好きでもないので、沈黙とかは全然平気なんですが、このオッサン、よく喋ります。つまらない話しを。ジェネレーションギャップというんですかね。

で、終いには訓示を垂れるというお決まりのパターン。

それでも、土曜日は朝から晩までずっとお相手をしてまして、もう疲れました。ヘロヘロです。いっそのことサッカーボールに生まれ変わりたいです。

明けて、今日は休日ということで、リュックサックに本を詰めて、とっとと逃げ出しましたよ。

用も無いのに会社に来たのは初めてです。