その2
はい、本日2発目です。
2発目っていっても日記が2発目ですからね。
-------------------------
上海に出張中、友人の鉄郎君と出会った。
香港にいる僕と、横浜にいる友人が上海で会うというのは別に感動って程でもない。
1ヶ月前に会ったばかりだし、お互いサイト持ちなので、ある程度の近況が事前にわかっていたからだ。
そんなことより、僕がなにより嬉しかったのは、トイレがすぐそばにあったことだ。
上海の街を散策中、猛烈にウンコをしたくなったのだ。かなり限界に近かった。
近くのホテルに駆け込み、ボーイの胸ぐらを掴んでトイレの場所を聞き出し、漏らさぬよう、慎重かつ駆け足でトイレに入ったのです。
ところが、3つある個室はすべて空いていない。タイムリミットはすぐそこまできている。
オシッコ用の便器が目に映る。良からぬ事を考えた。そこまで僕は追い詰められていた。
だが、そのホテルはどう見ても格式高い高級ホテルなので、わずかに残っていた理性だけが行動を踏み止まらせた。
然らば、残された道はあと一つ、漏らしてしまうことだ。傷つくのは僕一人で済むのだから。
しかし、腹の調子からいって、出るのは下痢に違いない。そうなればパンツどころかズボンも悲惨な状態だ。
どうする、俺。
力が抜け、意識を失い始め、これまでの人生が走馬灯のように頭を駆け巡り始めたその瞬間、どこからともなく声が聞こえた気がした。
“ジャー”
なんてことはない、ただの水の音なのだが、僕にはこう聞こえたのだ。
「戻って来い、アンジェリス。戻って来ーーい。」
これぞまさしく命の水。
意識を取り戻した僕は、右の個室のドアが開くと同時に中にいたオッサンを放り出し、便器にまたがることに成功したのだ。
パンツもズボンも汚さず、香港に戻ってきた僕は、今日もいつもと変わらぬ顔で元気に生活しているのであった。
*この話しは、ドキュメント番組・「九死に一生スペシャル」で放送されますされません。