祖父

当たり前だが、海外で生活すると、『日本』は外国になり、『日本人』は外国人となる。

こちらの人と日本人の僕との考え方や仕事観がまるで違うことに、お互い戸惑いも覚えたりする。男がスケベなのは万国共通です。

そんな経験が国際感覚を養い、日本の良い面、悪い面を理解させ、今後、よい仕事を生み出せられると信じている。

それと引き替えに、海外生活は我慢と諦めの連続だ。

というのも、僕が上海に出張中、祖父が亡くなっていた。

しかしここは日本じゃない。

すぐに田舎である長野まで行こうたって行けるもんじゃない。

当然、死に目にもお葬式にも立ち会えるはずがなかった。

家族は気を利かせてくれたようで、お葬式が終わって一段落ついた昨日、ようやく僕に訃報の連絡をくれた。

親戚一同も僕の事情を理解してくれたようで安心した。

「じいさん、スマン。49日法要には絶対行くから。」

急遽、5月下旬に一時帰国することにした。

吉野家で『大盛り、ネギダク、ギョク』を殺伐と食べられるのが楽しみだとかは決して思っていない。いや思っている。